チェーンとスタッドレスってどっちがいいの?
結局のところ、冬タイヤが必要なのか知りたいわ!
タイヤの接客をしていると、このように聞かれる事があります。
これを読むあなたも、今年はスタッドレスタイヤを買うか迷っていませんか?
この記事では、現役整備士の私が、『チェーンの性能』と『スタッドレスの重要性』をメインに解説します!
結論から言うと、スタッドレスとチェーンは使い方が違います。
チェーンを買っても、スタッドレスタイヤは必要です。
『チェーンがあればスタッドレスはいらない』は間違い!
タイヤチェーンがダメなら売ってる理由が知りたいわ‥。
そもそもタイヤチェーンって?
タイヤチェーンは、タイヤの周りに巻きつけて凍結路面を走りやすくします。
チェーン規制がある道路は、スタッドレスタイヤだけでは走行できません。
チェーン規制は、大雪の予想がされた時に出ます。
過去に立ち往生した場所やチェーン取り付けられる所が規制されます。
タイヤチェーンには種類がある!
タイヤチェーンには、金属タイプと非金属タイプがあります。
乗り心地 | 性能 | 耐久性 | コスト | |
金属 | 悪い | 凍結路面にガッツリ効く | 錆が出るがキレにくい | 安い |
非金属 | 良い | 凍結•雪道にバランスよく効く | キレやすい | 高い |
最近では、金属製のチェーンはお店で見かけなくなりました。
チェーンを買う場合は、非金属一択です。
タイヤチェーンの弱点
実は、無敵と感じるチェーンにも大きな弱点があります。
- ブレーキ時の制動力
- 横滑りする
- 雪の中で付け替える必要がある→結構大変です。
これらの弱点があります。
ブレーキ時の制動力
チェーンは、駆動輪にはかせて使いますが、ブレーキ時はつけていないタイヤが滑ります。
例えると、フロント駆動の場合は、ブレーキを踏むとリアタイヤがスリップして、制動距離が伸びると言う事です。
つけていないタイヤは、夏タイヤなので滑るのは当たり前です‥。
横滑りする
ブレーキの話と一緒で、チェーンを履いていないタイヤは、カーブ時にスリップします。
そのため、リアタイヤは外に広がろうとするため、非常に危険ということになります。
そのため、これらの危険性を考えると、スタッドレスタイヤにチェーンを履くと最強です!
雪の中で付け替える必要がある
チェーンをつける時を想像すると、雪が降ってきて路肩でつけることをイメージできますよね?
ただ、外は極寒で手が動かなかったり、夜ならよく見えずに失敗する可能性もあります。
そもそも、安全なところに停車する事ができるかも不安です。
とはいえ、つけっぱなしで走ると、すぐに使えなくなるのも残念なところです!
このように、スタッドレスタイヤと比較すると、
性能面以外にも違いがあります。
これを聞くと、なんだかチェーンは良くない気がしてきたわ。
スタッドレスタイヤは冬専用のタイヤ!
ここからは改めて、スタッドレスタイヤについて深掘りしていきます。
雪道で使うタイヤ
雪の上を走る・曲がる・止まるを考えて作られたタイヤです。
雪道で滑る原因は、凍った路面上の水の膜です。
濡れた手で氷を持った時のことを想像してもらえると分かりやすいかと思います。
スタッドレスタイヤはとにかく柔らかいです。
道路上の水膜を小さい溝で吸い取り、道路にしっかりグリップしてくれます。
スタッドレスは柔らかいタイヤってのは聞いた事があったかも?
交換する時期はいつ頃?
『夏→冬』に交換するタイミングは、地域によりますが、9月〜10月がオススメです。
さらに、スタッドレスタイヤを購入してすぐに性能は発揮されず、慣らし走行(タイヤを一皮剥く)が必要なので早めにしましょう。
スタッドレスタイヤの寿命の見分け方は?
スタッドレスタイヤの使用年数は、3年から4年と言われています。
距離にすると、1万キロから1万5千キロです。
メーカーの方に尋ねた所、近年は保存法によっては5年持つと言っていました。
冬場だけの使用であれば、溝を使い切ってしまうことは少ないですが、走行の仕方やメンテナンス次第で短くなることも考えられます。
スタッドレスタイヤを7年使うと寿命になる!
先日、7年間使ったスタッドレスタイヤを交換したお客様のタイヤです。
お客様の話では、思いのほかとまれていたそうです。
が、遠出を控えているそうで、不安で交換に踏み切ったそうです。
私たちは、溝があれば使えると思っちゃうわよね‥。
でもこうやってみると、ダメな事だって再認識するわ!
長持ちさせる方法は?
スタッドレスタイヤはメンテナンス次第では、最大年数使うことが出来ます。
ゴムが柔らかいスタッドレスタイヤは、余計に摩耗しやすいです。
『夏→冬』に変える時期に気を付け、地域の降雪タイミングに合わせた交換をしましょう。
冬場はタイヤ交換が混みますが、早く交換しすぎるとゴムの摩耗が早まってしまいます‥。
いつも旦那が早くから交換してるけど、
減りが早まっていたのね‥。
【結論】スタッドレスタイヤを買う買わないどっち?
夏と冬は専用のタイヤをつけた方が安心よね!
気温5度以下は『夏タイヤの性能』が落ちる
夏タイヤは、気温が低い冬に使用するとゴムが温まらずに硬化します。
スタッドレスタイヤと違い、夏に使うことを想定しているため仕方がない事です。
スタッドレスタイヤは安心を買っている
極論、雪が降らなければ、夏タイヤでも走れないことはありません。
ですが、スタッドレスタイヤは『安心感』を得るために買いましょう!
5度以下では、夏タイヤの性能がガタ落ちする為、雪が降らなくても『スタッドレスタイヤ』は買うべきです!
スタッドレスタイヤの買い時は?
ここからは整備士の私が、オススメするスタッドレスタイヤの買うタイミングを教えます!
この辺は素人じゃ見当つかないから、
早く教えて欲しいわ!
店舗で買う場合は?
私が働いているショップでも、9月下旬からスタッドレスタイヤを仕入れます。
10月は、車検やオイル交換などのメンテナンスも比較的空いているため、タイヤに詳しいスタッフとお話をしながらタイヤを決める事ができます。
私のショップでは、10月中は20%オフでスタッドレスタイヤを販売しています。
オンラインショップで買う場合は?
オンラインでは、1年中タイヤを買えますが、スタッドレス繁忙期以外は在庫が少ない事があります。
また、スタッドレスタイヤは、交換してすぐには性能を発揮できないため、『慣らし走行』が必要になります。
降雪予報の出る前の10月ごろが1番ベストです。
ネットで取り付け予約までする場合は?
店舗で買うよりも手間がかかならないため、予約を先に済ませてしまう人が多いです。
そのため、実店舗で買うよりも1〜2週間早めに買うのがベストなタイミングです。
近年のネット通販は、取付店の予約が簡単にできるようになっています。
整備士がオススメするスタッドレスタイヤ4選!
整備士がオススメするスタッドレスタイヤを教えます。
あくまで私評なので参考にしてみてください!
ブリヂストン ブリザックシリーズ
- 高い氷上性能→1番の売り
- 価格が高い
- 乾燥路面には弱い→摩耗は早め
ブリザックシリーズは、タイヤの中に無数の穴を作って、スポンジのようにして吸水しています。
そのため、ゴムの密度が少なく、乾燥路面で摩耗が早いのがデメリットです。
実際に乗ると、氷の上で滑り出す感覚がしっかりと伝わってきます。
そのため、無理をして走るリスクが少ないです。
運転が苦手な女性‥私専用ってことかしら?
ダンロップ ウィンターマックスシリーズ
- 乾燥路面の摩耗が少ない→混ぜ物が少ない
- 価格帯は中間層
- 氷上も比較的優秀
ウィンターマックスは、タイヤと路面の水を撥水させることでグリップ力を出しています。
そのため、混ぜ物が多い他のメーカーよりも、ゴム密度が高く、乾燥路面での摩耗が少ないです。
私のお店でも、ウィンターマックスを交換しますが、5年経っても溝は残っているのが多いです。
溝よりも使用年数を考えて交換される人が多い印象です。
ヨコハマ アイスガードシリーズ
- 氷上性能は抜群
- ロードノイズは比較的静か
- 価格帯はダンロップとブリヂストンの間くらい
アイスガードは、特性がブリヂストンに似ていて、スポンジ吸水のタイヤです。
そのため、摩耗は少し早いイメージですが、スタッドレス特有のロードノイズが少ない特徴があります。
さっそく旦那にもオススメしてみるわ!
グッドイヤー アイスナビシリーズ
- 国産タイヤで価格が安い
- 溝を工夫してしっかりと路面をキャッチする
- 寿命と性能のバランスが良い
グッドイヤーは、何よりも価格がお手頃な国産タイヤです。
極限走行をしない限りは、性能面で全く問題はありません。
駆け足で説明してきましたが、いかがでしたか?
最後にオススメの買い方を紹介していきます。
スタッドレスタイヤを安く買いたい人は?
ネット通販を利用する
冬タイヤだけではなく、タイヤ全般的にネット通販はお得に買うことが出来ます。
また、店員の押し売りに合う心配もありません。
予算オーバーで、後悔するタイヤ選びは絶対にダメです!
タイヤをネットで買ってみようと思ったあなた!
1歩踏み出してみませんか?
積雪ピーク前後に購入する
比較的オススメの購入方法です!
基本的には、12月から3月までにスタッドレスタイヤを購入する人が増えます。
しかし、それ以外の時期は比較的暇になりやすい傾向にあるので、早割という形で集客するお店が多いです。
また、ピークを過ぎた4月から5月は売れ残りを無くしたい為に処分セールをやることもあります。
私のお店は、早割で15%オフ、処分セールは20%オフです。
1つ前のモデルを買う
スタッドレスタイヤは、定期的に新モデルが発売されます。
タイヤの種類 | 価格(4本) |
ブリヂストンVRX3 | 82,720円 |
ブリザックVRX2 | 65,560円 |
サイズが大きくなれば、さらに価格差は大きくなります。
溝のある中古を狙う
新品タイヤも少し走れば中古になります。
『中古タイヤは心配だね‥』と思いましたか?
実は中古と言っても、新品タイヤに近い状態の物があります。
大手の中古ショップであれば、安心タイヤを販売している為、足を運んでみるのも良いと思います。
スタッドレスタイヤを買わない雪対策は?
どうしてもスタッドレスタイヤが要らない人はどうすればいいのでしょうか?
オールシーズンタイヤを使う
オールシーズンタイヤは、浅雪や圧雪の上を走れる全天候型のタイヤです。
全天候に対応している為、一年間履いていられるタイヤです。
→オールシーズンタイヤをオススメする人をこちらで紹介しています!
タイヤチェーンを使う
タイヤチェーンは、タイヤの周りにつけて、一時的に雪道のグリップ力をあげる物です。
さらに、取り付ける事で規制道路も走れます。
スタッドレスタイヤのレンタルサービスを利用する
スタッドレスタイヤをレンタルしているお店もあります。
1泊2日で、8,000円〜15,000円くらいで、必要な時だけ使う事ができます。
普段の使い方では、スタッドレスタイヤを買うほどではない人にオススメできます。
→『タイヤ市場』でレンタルスタッドレスを詳しく見る人はコチラ!
レンタカーを借りる
旅行時や緊急性の高い時に使える方法です。
レンタカーは、スタッドレスタイヤを装着している為、特別なタイミングで利用するには最適です。
まとめ
如何だったでしょうか?
今回はチェーンとスタッドレスタイヤのお話でした。
なんだかチェーンとスタッドレスでモヤモヤしてたのが晴れたわ!
これで迷いなくスタッドレスタイヤを買うことできるわ!
記事のおさらい!
スタッドレスタイヤってどんなタイヤ?
- 雪道専用タイヤ
- 3年から4年ほどが寿命(距離は15,000キロほど)
スタッドレスタイヤは、安心を買っていると共に、夏タイヤの性能低下を防ぐことができる
安く買う方法は?
- ネット通販
- 積雪ピークの前後に買う
- 1つ前のモデルを買う
- 溝のある中古タイヤを買う
スタッドレスタイヤ以外の雪対策は?
- オールシーズンタイヤを使う
- タイヤチェーンを使う
- スタッドレスをレンタルする
- 緊急時はレンタカーを借りる
冬場は夏タイヤの性能が低下する事や、凍結路のリスク低下のためにスタッドレスタイヤが必要です!
下の記事は、タイヤの購入先ごとのメリットとデメリットを書いています!