旦那が冬タイヤに交換するらしいけど、自分で出来るのかしら?
素人がやるとリスクが心配だわ‥。
自分でタイヤ交換を行うと、脱輪や取り返しのつかないトラブルに見舞われることがあります。
ですが、注意点を理解して行えば、毎年のタイヤ交換を簡単に済ませられます。
この記事では、現役整備士の私が、セルフタイヤ交換の方法やリスク(注意点)をプロ目線でお伝えします。
車載工具では、難易度が上がるので、オススメの道具も紹介しています。
自分でタイヤ交換はできるの?
タイヤ交換には、組み換えと付け替えがあります。
※組み替えは、タイヤチェンジャーという専用の機械がないとできません。
つまり、自分でやるタイヤ交換とは、『付け替え作業』のことをいいます。
そうそう!
うちの旦那は、付け替え作業をやろうとしているわ!
セルフ交換のメリット
- 付け替え工賃がかからない
- 待ち時間で疲れる事がない
- タイヤの状態を確認できる
- なんとなく達成感がある
付け替え工賃がかからない
まず、付け替えの工賃相場ですが、2,000円〜4,000円ほどになります。
クルマの大きさや国産・外車などの条件によって金額が変わるのが一般的です。
1年に2回タイヤ交換をすると、8,000円くらい節約できることになります。
待ち時間で疲れる事がない
冬の繁忙期になると、新規で冬タイヤを購入する人が殺到するため、余裕で数時間待たされます。
近くに時間を潰せるところがあれば別ですが、なければ暇で仕方ありませんよね?
自分でタイヤ交換できれば、好きなときに済ませる事ができます。
さくっとタイヤ交換できる男の人はカッコいいわよね!
タイヤの状態を確認できる
タイヤの状態をしっかりと確認することは難しいです。
車に取り付けられていると、内側がよく見えないので点検できません。
しかし、自分でタイヤを外せれば、溝の間や内側のひび割れ状態を見る事ができます。
目に見えない部分が劣化していることは多いです。
なんとなく達成感がある
これは、タイヤ交換を自分でやった事がある人は共感してもらえると思います。
私も整備士になる前からタイヤ交換をやっていましたが、無事終わった時は嬉しかったことを覚えています。
形になるものではありませんが、出先でパンクした時などに自分でできると強いなと感じます。
車いじりも大好きで、結婚前はトランクに工具を積んで走っていた時もありました。笑
セルフ交換のデメリット
- やり方を間違えると危険
- タイヤが重くて疲れる
- 時間がかかる
- 道具を買わないといけない
やり方を間違えると危険
タイヤ交換の手順を間違えると怪我をする可能性があります。
しっかりと理屈や手順を知った上で行わないといけません。
タイヤが重くて疲れる
タイヤは想像よりも重いです。
おそらく持ってみるとビックリしますが、持ち方を知らないと腰を痛めやすいです。
また、4本とも交換となると疲労感はとてつもないでしょう。
ホイールのスポークを持ったまま座り、両肘を膝上に固定すると楽に交換できますよ〜!
時間がかかる
お店に頼むと、おおよそ30分で付け替え作業は終わります。
素人の方だと、早くても1時間以上はかかってしまうと思います。
時間がかかるのはしょうがないわよね‥。
それよりミスなくやる方が大切よ。
道具を買わないといけない
スペアタイヤを搭載している車は、『車載工具』で交換ができます。
しかし、スペアタイヤがない車は、工具を買う必要があります。
節約のためにやるのに、お金が掛かるなんて‥。
自分でタイヤ交換する注意点は?
ジャッキアップを慎重に行う
ジャッキアップとは、専用のジャッキを使って車を持ち上げることを言います。
つまり、タイヤが浮いている状態ですが、この時は絶対に車の下に潜らない様にしましょう。
確認するために下を覗きますが、車体の真下に頭を入れない様にしましょう。
車にあったタイヤをつける
付け替えしようとするタイヤが、クルマに合っているかをもう一度確認しましょう。
複数の車を持っている人は、間違えてしまう事があります。
間違いのタイヤを付けると、干渉したり、ブレーキを引きずってしまいます。
ホイールにあったナットで取り付ける
- テーパー座ナット
- 球面座ナット
- ストレートナット
ナットには、この様に形の違うナットが存在します。
社外ホイールは、テーパー座ナットがほとんどですが、ホンダとトヨタは純正ナットが使えない事が多いです。
心配な方は、テーパー座ナットを別で用意した方がいいです。
違う形のナットを使うと、摩擦が足りずに緩みやすくなり、取り付けの位置も定まりません。
規定トルクでホイールナットを締める
ホイールナットの締め付けトルクは、車種によって決まっています。
私のお店でも、細かく決めて行っていますが、お客様の中には感覚とおっしゃる人もいます。
昔は、手の力で覚えていたそうですが、トルク管理を怠ると、緩みやハブボルトのネジが切れてしまいます。
『タイヤ トルク一覧』と検索をすると参考サイトが出てくるので、気になる人はどうぞ!
問題発生時はプロに任せる
- ナットが外れない
- ナットが舐めてしまった
- 車がジャッキから外れてしまった
セルフタイヤ交換で起きる1番のトラブルは、ホイールナットが外せない事です。
ホイールナットは規定トルクでしまっていますが、年数が経つと固着して外しにくくなります。
また、ハブボルトがサビて盛り上がっている事もあります。
難しい場合は、すぐにプロに頼んでください。
タイヤ交換する時に必要な道具!
車載工具では、時間かかってしまうことや、リスクが高いのでお勧めしません。
ジャッキ
ジャッキは、車を持ち上げる時に使います。
一般的に、車載工具は『パンダグラフジャッキ』ですが、人力でやるので疲れます。
フロアジャッキは、長い棒と油圧作動なので弱い力で車を持ち上げることができます。
エアージャッキは、あまり見ない為、上の2つが主です。
ジャッキも値段の差があって選べないって旦那が言ってたわ!
車のジャッキの選び方と正しい使い方は?(準備中)
リジットラック
リジットラックとは、通称『うま』と呼ばれていて、クルマのフレーム部分にかけて支えるものです。
ジャッキだけでは、車体を支えるには不十分なので、リジットラックを使って事故防止する必要があります。
輪止め
輪止めは、ジャッキアップする対角のタイヤにかけます。
例えば、右前のタイヤをジャッキアップすると、後ろに車は重心が傾くため、左後ろのタイヤに輪止めをかけます。
サイドブレーキがうまく効かない車もあるので保険でやりましょう。
クロスレンチ
ホイールナットを外す際に使用します。
クロスレンチは、国産車のほとんどに対応しており、早回しもできるので必須工具だと思います。
トルクレンチとソケット
トルクレンチは、ホイールナットを規定トルクで締め付けるときに使います。
頭にナットの大きさに合うソケットを装着します。
手袋
手袋は、汚れや怪我を防止するために必ず使いましょう。
タイヤからワイヤー(針金)が出ている場合、間違いなく刺さって怪我をします。
溝が減っているタイヤは危険性が高いです。
自分でタイヤ交換をするやり方は?
タイヤを外す前に下準備をする
- 車を平らな場所に移動
- ギアはパーキングでサイドブレーキをかける
- 前後に輪止めを置く
まずは、車を平らで固い路面状態の場所に停車させましょう。
しっかりとサイドブレーキをかけ、輪止めをタイヤにかけておきましょう。
いきなりジャッキをかけ始めないように準備をしましょう。
車をジャッキアップする
- ジャッキをポイントに当てる
- 様子を見ながらジャッキをあげる
- タイヤが浮く直前でホイールナットを緩める
- リジットラックをかける
1.ジャッキをポイントに当てたことを確認して、ゆっくりと上げていきます。
2.タイヤが完全に浮く前に、ホイールナットを左回しに緩めましょう。
3.完全に浮くと、空転して外れなくなるため、軽く緩めておく必要があるからです。
4.最後にリジットラックをフレームにかけて、ジャッキと併用して落下を防ぎましょう。
タイヤを付け替える
- タイヤを付け替える
- ホイールナットを仮締めする
- リジットラックを取ってジャッキを下ろす
- トルクレンチで規定トルクで締める
逆の手順でタイヤを取り付けましょう。
クロスレンチでホイールナットを仮締めをして、ジャッキを少し上げてリジットラックを外します。
車体の下に何もないことを確認して、ゆっくりタイヤを着地させて、トルクレンチで本締めして終わりです。
タイヤトルクの参考値は90〜120N/mですが、取扱説明書などを確認しましょう。
ゆっくり試走して最終確認する
ここまでの工程をしっかりと行い、初めてタイヤ交換が終了です。
徐行して問題がなければ、最寄りのガソリンスタンドでチェックと空気圧点検を必ずお願いしましょう。
ホイールナットの締め付け不足で走ると、ハンドルのブレやブレーキ時にキーキーなります。
下の記事にタイヤのトラブルをまとめてます。
【結論】リスクが不安な人はお店に頼むのがベスト!
ここまで簡単に説明をしてきましたが、自分で出来ると感じた人はいますか?
私の主観だけど、お金を払ってでもプロに頼むほうがいい気がしたわ‥。
タイヤ交換は、1つのミスで大事故につながるため、専門知識や技術が必要だと思います。
正しい手順を踏めば、自分でも出来ると思いますが、安心を優先した場合はプロに頼む事がおすすめです。
- ディーラー
- カー用品店
- ガソリンスタンド
- タイヤ専門店
このように、タイヤ交換をお願いできる場所は様々あります。
整備士の私からすると、工賃のコストを払って得られるものは大きいと言えます。
お店 | 工賃 |
オートバックス | 2,200円〜 |
イエローハット | 3,300円〜 |
エネオス | 4,400円〜 |
タイヤ館 | 3,750円〜 |
オートアールズ | 4,000円〜 |
上の図のように、数千円から付け替え作業をお願いできます。
一度プロに相談してみるのも手です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はセルフタイヤ交換のお話でした。
自分でタイヤ交換するには、やり方をしっかり理解しないと難しいんだわ。
記事のおさらい!
自分でタイヤ交換をやる場合、怪我をしない最善の方法で行ないましょう。
セルフのメリットは?
- 工賃がかからない
- 待ちがない
- タイヤの状態を見れる
- 達成感がある
セルフのデメリットは?
- やり方を間違えると危険
- 重労働で疲れる
- 時間がかかる
- 道具を買うと工賃を超える
セルフが難しいと感じた人は、安心安全なプロショップにお願いしましょう。